こんにちは。
人材業界専門エージェント インプレッションの渡辺友栄です。
「自分の市場価値を高めたい」
転職相談をしていると、そんなお話を伺う機会が増えてきているように思います。
とくに20代後半から30代前半は、キャリアの伸びしろをどう使うかに悩むタイミングでもあります。
最近では、「市場価値」というワードを使ったHR関連企業の広告を目にする機会も増えていますし、自らそうしたキャリアに関する仕事に携わっているからこそ、かえって焦りも生まれやすいのかもしれません。
ここでひとつ、考えてみてほしいことがあります。
“ニーズがある”からという理由だけで、経験を横に広げることにとらわれていませんか?
もちろん、幅広い経験を積むことには意味があります。
異なる領域を経験することで、視野が広がったり、柔軟性が高まったりするのも事実です。
ですが、ただスキルの「チェックリスト」を埋めるように転職を重ねても、自分らしいキャリアにはなかなかつながりません。
むしろ、これまで積み重ねてきた経験の中にこそ、自分の“専門性”を深めていくヒントが隠れているかもしれません。
たとえば──
・営業の中でも、特定の業界や顧客タイプに強みがある
・現場支援だけでなく、構造的な課題解決に関心がある
・数字だけでなく、関係構築や伴走スタイルを大切にしている
そういった“らしさ”を深堀りし、他の人にはない自分なりの専門性磨く事が、自分自身の強みになり、結果としてそれが市場価値になる事もあります。
それは、ただ目先の「スキル保有数」を増やすこと以上に、長期的なキャリアの武器になる可能性もあります。
そしてもうひとつ大切なのは、「その経験、本当に自分がやりたいこと?」と自分に問いかけることです。
人材業界で働いていると、「こういう経験があれば評価されやすい」「こういう職種は今、売り手市場」といった情報に日々さらされています。
だからこそ、自分の本音が置き去りになってしまうこともあるかもしれません。
「その仕事を通じて、どんな価値を届けたいのか」
「何にやりがいを感じるのか」
「どんな時に“自分らしく働けている”と感じるのか」
そういった感情ベースの問いに向き合ってみると、転職の軸がよりクリアになります。
転職は、新しいことに挑戦するチャンスでもありますが、自分自身と向き合う“確認作業”でもあります。
経験をただ増やすだけでなく、その経験に意味を見出し、深めていくことも選択肢の一つです。
それが、納得感のあるキャリアにつながっていきます。
「市場価値」も、「やりたいこと」も、どちらかだけではなく、
その両方を少しずつ育てていくことが、あなたの唯一無二のキャリアになるはずです。
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